ロシアンネイル

流行の服に身を纏い今時のメイクを施しているように見えるけど、どこか野暮ったい(失礼!)。しかしすこぶる美人でスタイルが良く、昔は器械体操をやっていたのかと思わせる一糸乱れぬまとめ髪。そういう女性はロシア人であることが多い。彼女達の中では確立された完璧な“美”があるようで、ネイルに関しても確固たる信念があるのだ。

彼女達の求める美が万人に受け入れられるかはともかく、その“美”を追求する姿勢は見習いたい。

彼女達は自分達の欲するものを100%理解している。マニキュアをする時、とりあえずポリッシュを落として自爪が見えるようになってから「さぁ、どうします?短くします?」という具合に会話を始めるのが通常。しかし彼女達の場合は、座ったとたんに「形はスクエアオフ、長さは今の半分まで短くしてね、キューティクルは完璧に切ってほしいわ、キューティクルだけじゃなくて硬い皮膚も切り取っちゃって」という具合に細かく指定してくれるので、楽といえば楽。しかし困る事もあるのだ。

先日、20代後半と思われる超美人な彼女を担当した。私は切るべきキューティクルは切るけれど、わざわざ切らなくてもいい皮膚は絶対に切らない主義。客の要求は100%受け入れるべきだ、という考えの人もいるだろうが、誤った知識を信じている人には断固として反対したい。彼女もそんな人達の一人だったので、切る必要のない皮膚を切ることは決して良い事ではないのよ、と力説してみたが彼女は頑として受け入れず。

最後はオーナーも交えて説得したのだけれど彼女は微笑を浮かべながら言い切った。「私は物心ついたときからネイルサロンに通っているけれど、ずっとこのやり方できたの。自分のやり方を気に入っているし、そうでないと自分の事を美しいと思えないんだから今更変えることは出来ないわ」

別に怒っているわけでもなく、私達に不満をぶつけているわけでもない。その証拠に次回の予約を取りたい、と言ってきたのだ。ほっそりと長い指先を見つめながら話す彼女から悪意は感じられない。ただ綺麗になりたい、という思いだけがそこにあるような気がする。

それをオーナーも感じ取ったのか、「では次回はキューティクルを切るのが得意なネイリストをつけますね」と微笑み返して事は収まった。
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by daisyduke | 2006-09-14 09:10 | ネイル